プラスチックごみによる海の汚染問題が世界中で問題視されています。微細なプラごみが海の生態系に悪影響を与える恐れがあるのです。
国連環境計画(UNEP)によると、不法投棄などで川や海に流れ込んでしまうプラスチックごみは毎年1300万トンに上ります。プラごみは分解されず、海を漂う間に粉々になり、エサと一緒に魚や貝が食べてしまいます。
こうした「マイクロプラスチック」と呼ばれる微粒子には有害物質が付着しやすく、魚を食べた野生動物や人間などに悪影響が及ぶ可能性も指摘されています。
石油から作る従来のプラスチックは軽くて強く、なかなか分解しないのが特徴ですが、この長所が環境問題では欠点になります。
この問題を解決するために開発されたのが「生分解性プラスチック」です。使用時は従来品に近い機能や性能を持ちますが、使用後は土などに潜んでいる微生物に食べられ、最後は二酸化炭素(CO2)と水になります。海に流出しても分解が進めば、汚染の防止にもつながります。
脱プラスチックの動きが世界的に急速に広がっており、国内外の飲食チェーン大手も、紙や生分解性プラなどの代替素材に切り替える方針を打ち出しています。
環境省も補助金によって普及を後押しする方針で、日本の科学会社も原料に石油を使わず、さらに海でも分解する生分解性プラスチックの開発&量産を進めています。
17年の世界生産能力は88万トンで、プラスチック全体に占める割合は1%未満にとどまりますが、今後は既存のプラ製品からの切り替わりが進み、22年には17年よりも23%増えて108万トンになると見込まれています。
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