海外ではご法度の日本独特の親子上場にメスが入りつつあり、一昨年辺りから東芝、日立、三菱など一流企業とされる会社から、その解消の動きが盛んに出ております。
今回も日立製作所が子会社の日立金属を8000憶円で売却というニュース、更に東芝が2兆円で買われるという大きなニュースが入ってまいりました。それはそれで市場活性化に通じるもので、弱肉強食の資本主義の世の中では当たり前のことですが、逆に日本企業が海外企業を買収する場合は、どうも市場活性化に繋がると評価が少ないように思われます。
同じく日立が米国のシステム会社「グローバルロジック」を9180憶円で買収すると発表すると日立の株価は8%弱売られ、またパナソニックが米国ソフトウェア会社を7000億円で買収すると発表すると、こちらも株価は7%弱売られました。更に、ルネサスエレクが英国半導体メーカー「ダイヤログ・セミコンダクター」を6157億円での買収時も株価は4%下げました。
これは今に始まったことではなく、古くは1989年のソニーによる5200憶円での「コロンビア・ピクチャーズ」の買収、日本郵政の7618憶円で豪物流会社「トール・ホールディングス」の買収、松下電産(現パナソニック)による米国映画大手「MCA」(現ユニバーサル・スタジオ)の買収と、特にクロスボーダーによる大型買収は減損と撤退が多く、結局高値掴みされているケースが多いようです。
現状の株主提案で目立つのはROE (株主資本利益率)を上げることをですが、子会社を吸収したり、M&Aで規模の拡大をすればROEは上げられますが、そこに日経企業が陥りやすい、本末転倒の落とし穴があるのではないでしょうか。今回のアルケゴスの野村HDが踏んだ轍と同じような気がするのですが…。
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